シングルおやじの気ままな一人旅

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　曇りのち晴
　7時15分に出発する。深谷は深谷上杉氏が深谷城を築き城下町として栄えたが江戸期に入ると廃城となった。江戸を発った旅人の二泊目だったということで賑わい、街道一の遊女の町といわれたそうだ。
　昨日確認した飯島印刷所の本陣跡を通ってしばらくいくと、天保11年（1840年）に建てられたという高さ4mという中山道最大の「常夜灯」が立っている。現在と違って大きな建物のない当時では相当に目立った存在だっただろうと思う。

　滝宮神社の前で国道を横切り少し行った所で再び国道に合流して歩いていくと、右手に「源勝院」がある。岡部藩主安部一族の菩提寺であり門を入って左手に十二基の墓が並んでいる。苔むしていて歴史を感じさせる。

　ここから少し先の右手に幕末の砲術家として有名な高島秋帆の幽閉地の碑があった。
　しばらく国道17号線に沿って歩く。車の騒音が耳につく。
　岡部六弥太が建立した普済寺を通り過ぎて少し行ったところで国道と分かれて右側の旧道に入ると途端に車が少なくなり、静かになる。こうなると歩きやすく快適だ。
　右折して豊見坂を下っていくと左手に「百庚申」がある。これは万延元年（1860年）から万延2年に作られたもので万延元年が庚申の年にあたり、井伊大老の桜田門の変が起きたりして世情が不安定だったため神仏に世の安定を祈って作られたと説明されている。

　小山川に架かる滝岡橋を渡ると本庄市に入る。
　10時08分本庄宿を通る。
　内田本陣跡（南本陣）の痕跡は残っていなかった。資料を見てこの近くだろうと思われる場所の前に時計屋さんがあったので入って尋ねたがわからなかった。
　ただ本陣と思われる場所のすぐ横に昔の遊郭の家が残っていた。時計屋のご主人の話によれば表通りに面した部分は改修がなされているが、奥に行くと昔の造りが残されていて、階段がせり上がって出入口が閉まるような仕組みになっているそうだ。
　少し行くと本庄宿の北本陣といわれた田村本陣の正門である「田村本陣門」が残っていた。すぐ横には明治16年築の旧本庄警察署庁舎を利用した歴史民族資料館があったが本日休館の看板が出ていた。

　更に行くと右側に「金鑽神社」がある。もともとは欽明天皇の2年（541年）の創立とされているが、現在の建物は本庄城主小笠原忠貢が創建したもので社殿は極彩色のうるし塗りで飾られていた。境内には樹齢300年を越すといわれる大きな楠が立っていた。
　
　「陽雲寺」がある。武田家滅亡後信玄の夫人陽雲院がここで仏門に入って暮らし、その墓もここにある。また新田義貞の家臣であった畑晴能のお墓があり六百回忌の塔が立っていた。畑一族はこの地方も名士なのだろう、一族の大きな墓も同じ場所に立っていた。

　右手に一里塚と小社がありここから国道17号線に合流する。車の流れが急に激しくなる。
　神流川橋を渡ると「神流川古戦場跡碑」が立っている。それによると天正10年（1582年）6月2日本能寺の変を知った信長の家臣滝川一益が小田原北条氏の軍と神流川原で対戦し敗れたと書かれていた。

　ここから又国道と別れ旧道を行くと新町宿をなる。
　昼食を食べた後13時28分小林本陣跡を通る。
　本庄宿から3時間20分、14810歩。
　ここは本陣跡の標識が一本立っているだけだった。

　烏川堤に出て高崎伊勢崎サイクリングロードを歩く。ここは気持ちのいい道が続いている。
　柳瀬橋で烏川を渡る。水量はあまり多くないが大きな川だ。橋を渡り岩鼻町の信号で左折して観音寺を右に見ながら進むとやがて倉賀野宿に入る。入り口に「從是右　江戸道　左　日光道」と書かれた碑が立っている。

　ここから日光例弊使街道に分かれるのだ。例弊使街道は徳川家康の命日である4月17日に行われる日光東照宮祭礼に朝廷から派遣される例弊使の通った道のことだ。ここまで中山道で来てここから日光まで行ったということだ。交通機関の何もなかった時代のことだから大変な道中だっただろうと思う。

　倉賀野の勅使河原本陣跡はスーパーの駐車場に、須賀庄脇本陣跡は道路に面した場所に同じ形の碑として記されていた。


　14時53分倉賀野宿本陣跡を通る。
　新町宿から1時間25分、9069歩。

　倉賀野宿から高崎宿までは特にこれといったものはなく、国道を歩く。やがて高崎の繁華な通りに入るが高崎宿はどこが本陣跡かわからない。
そのためとりあえず駅の近くのホテルに入った時点でカウントする。
16時20分ホテル着。倉賀野宿から1時間27分7664歩。

本日の歩行時間　　9時間5分
本日の歩数＆距離　49483歩（約33.6km）