東海道を歩く

2007年03月13日(火) ~2007年03月30日(金)
総歩数:756832歩 総距離:514km

2007年03月17日(土)

箱根畑宿~箱根~三島~沼津

                            箱根は雪のち曇り

 歩き旅をしている間で最も気になるのはその日の天候である。今日も6時30分に起床しすぐに窓の外を見た。
なんと・・・!雪だ。一面の雪景色なのだ。しかも雪はまだ降り続いている。
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 今日の予報は晴れてくるとなっていたはずなのに・・・!
 驚いたが、次にすぐ思ったことは雨の箱根越えはイヤだが、雪の箱根越えなんてめったに経験できることではない。面白い!と妙に勇み立つ。
 朝食を昨夜と同じように三人で話をしながらいただき、7時50分出発。お二人が道まで出て見送ってくれた。
 お世話になりました。やはり民宿はいいと改めて思う。
 宿を出てすぐのところに「畑宿一里塚」がある。日本橋から二十三番目の一里塚だ。ここは当時の姿そのままに道の両側にきれいに残っている。こうしてみると一里塚はかなりの大きさがある。当時は非常に目立つ存在だっただろうなと思う。
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 やがて杉林に入る。花粉症のひどい私にとって杉林は天敵なのだが、これだけ寒いと花粉も飛んでいないのだろう。症状は全くでない。周囲に誰もいない。道に積もった雪には足跡が全くない。今日初めて私がこの道を歩くのだ。そう思うとなんとも気持ちがいい。ただ雪道は滑りやすい。足を踏ん張り注意しながら歩く。
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 七曲りというクネクネした道を登っていく。「昼なお暗き杉の並木、羊腸の小径は苔滑らか♪」と歌われたのはこのあたりのことなのかと思いながら歩いていくと、見晴らし茶屋があった。ちょっと見ただけだったのでよくわからなかったが、どうも営業をしていないような感じだった。
 階段を登って県道に出る。県道をしばらく歩いていてひょっと左下を見ると石畳の道が見える。「ありゃ、あの道は何だ?」なんとなく旧道のような感じがすると思ったが、確かめる術がないしそこに降りる道もない。仕方がないのでそのまま歩いていくと猿滑坂のところで合流した。確かめると下の石畳道が旧道だった。ただもうここまできて、いまさらもう一度その旧道を引き返すのはイヤだったのでそのまま先に進む。
 8時45分 「甘酒茶屋」に着く。朝食はいつものように満腹になるまで食べてきたが、折角なので甘酒と力餅を食べる。飢餓には弱い私だがその反対には強いのだ! ここで歩いて登る人で、その日の朝一番にこの茶屋に来た人だけが記入できるという芳名帳を差し出される。こういうことをしているということはどのHPにも書かれていなかったので、このとき初めて知った。あまり他の人が経験できないことを体験できたのだとちょっとうれしくなる。単純なのです。
 過去に記入した人を振り返って見てみると、やはり関東地方の人が多いが、台湾やアメリカの人の名前も記されている。前日の記載を見ると在日のイタリア人だった。一人で登っている人もおればグループで登っている人もいる。早速私も記入させていただく。箱根に足跡を残すことができたようでなんとなく気持ちがいい。
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 しばらく白水坂、天ヶ石坂と呼ばれるかなり急な登り坂が続くが、覚悟してきたほどきつくはなかった。やがて道は下り坂になる。権現坂と書かれた標識があり、目前に芦ノ湖が見えると書かれているが、雪が降り続いていて視界が開けず何も見えない。
 9時35分 芦ノ湖に到着。岸辺近くまで行ってようやく湖を見ることができた。
 三枚橋から芦ノ湖まで3時間半だった。遊覧船乗り場では観光客と思われる人がいたが、さすがにこの天候なので人数は少なかった。天気がよければここから富士山も見ることができるだろうし、少し休憩を入れて景色を眺めるということをしたかもしれないが、雪で視界も開けていない状況ではそんな気にもならず、そのままそこを通り過ぎ再び杉林に入る。
 歴史を感じさせる杉並木は元和4年(1618年)に植えられ420本あるそうだ。樹齢360年と書かれていたが、現在(2007年)では389年になる。雪は依然降り続いている。
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 箱根の関所跡が復元されていたので見てみたが、平成19年(今年です!)にできたばかりということでまだピッカピカの新品。中に展示されているものは当時の物が多いのでなんとなくチグハグな感じだった。ここも芦ノ湖と同様見物の人は少なかった。
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 ここから向坂、挟石坂を通り、階段を登って国道に出る。国道の右手、少し下ったところに道の駅箱根峠があったので、入ってコーヒーを飲む。
 一人で店に入ってコーヒーを飲むのは極めて苦手な私だが、さすがに寒かったのでちょっと一息入れ、さて三島に向かおうと思い、一応店の人に下っている右手に行けばいいのですよねというと「三島へ行くには左手ですよ」といわれた。左手の道は上っているので、エッと思って「いや、三島ですよ」と確認すると、右へ下っていくと芦ノ湖に行くことになり、三島へは左へ行くのだという。三島へ行くには山を下るという先入観があったので、なんとなくまだ釈然としなかったのだが、左手へ向かっていくと道路標識に「三島15km」と書かれていたのでようやく納得した。

 10時50分 箱根峠に到着。標高846mでしかもこの天候。気温は1度と表示されていた。歩いているため身体はさほど寒さは感じないのだが、顔や手といった露出している部分がさすがに冷たい。
 ここでやはり一人で箱根越えをされている方と出会う。東京の葛西から来られたという。前後しながら歩く。
 やがて三島に向かって下り始めるが、石畳が濡れていて滑る。何度もひっくり返りそうになり、足を踏ん張って下る。周囲を見る余裕もない。もともと運動をしている時に膝の半月版を痛めて取っており、膝に不安のある私にはかなり堪えた。このとき痛めた膝はこの後の行程でも影響が残ってしまい、最後まで調子が悪かった。
 やがて三島に入り、三島大社で一休み。三島に泊まるというその方とここで別れ沼津まで足を伸ばす。
16時15分 ホテルに到着。

 雪の箱根越えというめったにできないいい経験をした一日。
「箱根の山は天下の険」と歌われた箱根だし、相当に気合を入れて臨んだのだが、色々と環境が整備されている現在ではそれほどきついとは思わなかった。

本日の歩行時間 8時間25分
本日の歩数&距離 45728歩(約31.1km)

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